どこまで入るの!?~化粧品成分の「肌浸透」~

 

 

「浸透」する化粧水!!

TVや雑誌ではもはや当然のことのように宣伝されていますね。

化粧水=浸透

という考え方です。

 

確かに化粧水の多くは肌に乗せた時に

スッと染みこんで肌にうるおいをもたらしてくれます。

 

しかし実のところ、この「浸透」という考え方は

消費者一般に大きな誤解を生んでいるのが現状です。

 

かずのすけのブログでは以前より、

「化粧品成分は肌に浸透しない!!」

ということをず~っとお伝えしてきています。

 

しかし実際に化粧品のメーカーは

浸透する!!

と大々的に広告をしていますし、、

 

もし本当に浸透しないなら

ほとんどのメーカーは嘘を付いているということになりますね。

 

しかも僕達もその「浸透」のような効能を実際に肌で体感しています。

化粧水などの保湿剤を塗布すれば、

確かに乾燥していた肌が潤いますね。

ということはやはり、

化粧水は「浸透」しているのではないのか…?

そう考えてしまってもおかしくないかもしれません。。


実際のところはどうなのか・・・

今日はそのお話についてしっかりまとめていきたいと思います。

 

 

◎化粧品成分の浸透は、「角層まで」。

 

実はここに大きなブラフが隠れています。

上の画像、よ~くご覧になってください。

特に「浸透」という字の右上と、、

画像の右上です。

 

浸透の右上には

「*」
がついていて、

このを探してみると、

画像の右上にちっちゃ~~~い字で、

何かチョコチョコっと書いてありませんか?

ここを拡大すると

 

と書いてあるのです。

 

つまりこの場合の化粧水の浸透は「角層まで」となるのです。

 

 

◎「角層」ってどこ?

 

以下皮膚の構造を模式的にあらわした図になります。

「角層」とは、

以下の図で言う「角質層」と表記されている部分です。

 

なるほどここが角層なんですね~!

ちなみにこの「角層」・・・

 

どのくらいの厚さがあるかご存知ですか?

実は、、

これがおよそ↓の厚さと同じくらいと言われています!

 

「ラップ」

ですね!

数字にして

およそ0.01mm~0.03mm程度

と言われています。

 

え!??

と思う方もいらっしゃるかもしれません。

「角層」って・・・

こんなに薄いんです。

 

 

◎化粧品の「浸透」は、角層に水分を補給すること!

 

つまり化粧品の「浸透」というのは

角層に化粧品の成分を行き渡らせることです。

 

あくまで皮膚表面の角層までしか浸透はしないので、

その角層の下で細胞分裂している

「基底層」や「繊維芽細胞」まで成分が届くことは基本的にありえないのです。

 

これは化粧品の管理を行っている「薬事法」という法律でも決められており、

化粧品成分として角層より深く浸透していくことを広告すると

それだけで法律違反で罰則を受けることになっています。

化粧品に関する罰則の事例(京都府)

 

角層は「ケラチン」というたんぱく質でできており、

ケラチンには水分を保持できる空洞がたくさん空いているため

化粧水などを塗布するとその空洞に水分が補給され

一時的に肌が潤った状態になります。

 

つまり「化粧品の浸透」とは、

単にケラチンでできた角質層に水分を含ませているだけなのです。

 

 

◎化粧品が肌を通れないワケ

 

まず、「肌」というものがなんのために存在するのか?

ということから話は始まります。

 

医薬学の基本として

「皮膚」とは「障壁」です。

外物質が体内に侵入してくることを防いでくれる

「バリアー」

こそが皮膚なのです。

 

皮膚角質層の細胞の間には

細胞間脂質(セラミド)と水分の層構造(ラメラ構造)があり、

 

「油」も「水」も通れません。

 

たとえ油と水を混ぜるために界面活性剤を作用させたとしても、

層状構造になったラメラ構造をすべて突破するには

高濃度の界面活性剤を数時間塗布しておく

など、

通常の生活ではあり得ない条件を揃えなければいけません。

 

化粧品に配合されるごく少量の界面活性剤では、

角質層を突破して化粧品成分を肌の奥(真皮より奥)まで届けることは

ほとんど不可能なのです!

 

逆を言えば

この皮膚というバリアをおいそれと破ってしまう化粧品があったとしたら、

それは大変危険なことです。

皮膚内部はとてもデリケートな組織ですから、

肌荒れや免疫低下やアレルギーが怒涛の如く降り注ぐことになってしまいます!

 

 

◎成分は毛穴を通って真皮に?

 

これは余談ですが、、

化粧品を販売する方で、

「毛穴」は真皮を貫いているので、

毛穴から成分が染みこんで皮膚内部に届く!

というふうにおっしゃる方がおられます。

 

 

確かに毛穴は皮下組織までつながっていますので

毛穴から成分が入っていってもおかしくない…

と思うのも無理はありません。

しかし残念なことに、

毛穴から成分が入っていっても、

それは皮膚の細胞組織にはほとんど届かないのです。

 

まず薬学の基礎として

毛穴からの薬物の吸収は無視されます。

薬学まとめました

 

簡単に言えば、

皮膚表面の面積に対して毛穴の面積は極小さいため、

毛穴から入っていったとしても

その影響は無視できるほど小さいと考えるようです。

(そもそも毛穴内部も脂質が蓋をしているので吸収はほとんどないのですが・・・)

 

また、

もし本当に入っていったにしても、

その成分は細胞に染みこんでいくのではなく

そのまま毛細血管に侵入し、

毒素としてデトックスされるようになっているのです。

 

つまり毛穴からの成分の吸収は

まず無視されるほど少なく、

さらに

入っていっても皮膚の細胞分裂には寄与しない…

ということが言えます。

 

ですから肌に化粧品を塗布しても、

肌表面からも毛穴からも

成分が肌内部に入っていくことはほとんどあり得ないこと

ということになるのですね!

 

 

◎浸透しなければ、どんな高級成分も無意味

 

これまでもいくつかの成分について、

浸透しなければほとんど効果はない
(むしろ危険なものもある)

と僕は言っていましたね。

レチノール

美白有効成分

EGF

プラセンタ

 

むしろ成分の特性から浸透してしまったばかりに、

大変な結果を招いてしまうこともありました。。
(ロドデノールなど)

 

最近では

「皮膚の基底層に働きかけて、細胞分裂を活発化する」

というような成分が多々商品化され、

そのような化粧品を同様の文句で販売しているメーカーが

非常に多くなっているように思います。

 

しかし現実には

化粧品の成分は健康な肌にはほとんど浸透しないので

たとえ高級な原価の成分であっても

その効果はほとんど無視できるほど小さいものでしかあり得ないのです。

 

逆に言えばそれこそが

「化粧品」

の本質であり、

そのような微妙な効果のために大金をはたく価値があるのか・・・

 

さて、みなさんはどう思われるのでしょうか。

長くなりましたが、

今日はこの辺りにしておきます。

 

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